乗客の連携と協力しあう場面に出会った話
昨日の帰宅の電車の中での出来事です。私が電車に乗ったときから、何気に車内が落ち着きがない雰囲気でした。どうやら座っていた年配の男性が、前の駅から時々気を失ったり後ろの窓に頭をぶつけていたらしいのです。近くにいた乗客は私が乗ってきた駅で降ろして駅員さんに引き渡したかったようですが、ものすごい人の乗り降りで止められなかったようです。
「次で絶対止めて降ろしましょうましょう。」
男性の乗客が言いました。次の駅まで約2分。その途中に気を失っていた年配の男性は嘔吐をし始めました。つかさず隣に座っていたこちらの男性が鞄からスーパーの袋を取り出しキャッチ。その間も年配の男性は時々気を失ったりしています。とても長い長い2分間でした。
駅に着くととりあえず私を含めてドア付近にいた人たちで駅員さんを呼ぶ人と、とりあえず非常停止ボタンを探す人と、気を失っている年配の男性に声をかける人。なんとなく役割が決まっていて駅員さんを呼んで、時々気を失う年配の男性を駅員さんに託しました。どうやらその前に年配の男性が降りる最寄り駅を聞いていたようで、合わせて伝えていました。
乗客の連携をみた
明らかに生命の危機を感じると、たとえ知らない人の同士でも会話が生まれ人は連携することがわかりました。放っておく人はいないのかもしれない。でも全員が全員ではない。狭い車内で動けたり手助けできる人は限られている。でもその場で動ける範囲にいた人はみんなで協力しようとする姿がそこにはあった。
非常事はいつ起こるかわからない
今回意識を失い嘔吐が始まったときにとっさにスーパーの袋をもっていた人の動きに感動を覚えました。普段持ち歩きませんが家に帰ってから私も通勤カバンの中に入れました。いざというときに色んなことに袋は役に立ちそうです。今回は年配の男性でしたが、非常事はいつどこで起こるかわかりません。そんな非現実的な場面に遭遇したときこそ冷静でありたいと思いました。
ちなみに非常停止ボタンはホームドアの横にありました(東京メトロ)
迷惑な非常停止ボタン
今回気になったので、非常停止ボタンについて調べてみました。ホームドアの横にあったり、ホーム上にあったり駅によって設置場所は様々なようです。しかし、たいしたことがないのに非常停止ボタンを押すケースも少なくないという書き込みがあって少し残念に思いました。今回の場合は意識を失った年配の男性の救出のために2〜3分ほど停車しました。アナウンスで急病人救護のためと流れましたが、もしかしたら「わざわざ電車を止めるなよ」なんて声もあるのかもしれません。非常停止ボタンを押すのは乗客です。押すかどうかの選択を委ねられているのは私たちです。
昨日の出来事ですが、私はいざというときには他人同士でも協力し合うことができるのだということがわかっただけでもよい経験ができたと思っています。
春日 深青(Kasuga mio)